2014年4月19日土曜日

物価連動国債ファンドのリスク、デメリット

最近、インフレに対する懸念からか物価連動国債ファンドが売れているみたいですね。
物価連動国債ファンドというのは「物価連動国債」というタイプの国債に投資をする投資信託です。名前の通り「物価」に元本が連動する仕組みになっています。
物価連動国債とは?
インフレ連動債とも呼ばれる債券の一種。名前の通りインフレ率(物価指数)により連動する債券で、元本、クーポン(利息)のどちらか、または両方が債券の発行時点で定められている一定の物価指数により調整を受ける債券
上のような物価連動国債に投資をするため、将来インフレがすすむとそれに応じて元本が増える仕組みになっています。

じゃあ、この物価連動国債ファンドにリスクやデメリットはないのでしょうか?

・元本割れリスクがある
(インフレ率がマイナス(デフレ)になると元本は下がる)

・金利上昇に弱い
(物価が上がると、一般に金利(長期金利)も上昇しますが、市場金利が上昇すると債券価格は下がります。そのため、物価上昇による恩恵の一部は金利上昇で相殺されてしまう。詳しくは「債券価格と金利」をご覧ください)


こうったリスクが伴います。単にインフレに備えたいというのであれば変動金利タイプで元本保証となる「個人向け国債」に直接投資をするほうが有用だと思います。

インフレになって金利が上昇すれば受け取れる利息が増えます。また、いつでも解約できるという点も魅力です。

参考:金利変動リスクに備える人が増加!10年個人向け国債が人気
参考:個人向け国債(個人向け復興国債)とは


2014年4月15日火曜日

投資信託よりも高いコスト!「保険で貯蓄」と言う考え

投資信託のコストの高さはこのブログでも説明してきました。(参考:投資信託はコストが高すぎる)しかしながら、投資信託よりもより不透明でコストが見えにくい投資商品があります。

それは「保険で貯蓄する」という考え方です。

代表的な保険としては「学資保険」や「低解約返戻型保険」などがあります。いずれも貯蓄性の高さをウリにしている保険商品です。

そもそも生命保険のコストは何か?と言われると保険料に締める「付加経費(付加保険料)」 と言う部分です。詳しくは「付加保険料とは?」などを読んでいただきたいところですが、保険事務費用や営業マンのコストなどです。この付加保険料は10%とも20%とも言われています。

投資信託の販売手数料の3%や信託報酬1%を高いという私ですが、この水準の高さには驚きを禁じえません。それほど高い水準のコストがかかっているわけです。

でも生命保険の予定利率は高いよ!という反論もあるかもしれません。しかしながら、それは「資産運用面から考える生命保険「予定利率」の問題点」などでも指摘されている通り、払った保険の一部しか運用されない以上は見た目ほど高くはありません。

個人的にはこうした保険で貯蓄をするくらいなら、コストの安い投資信託を積立投資するほうがよっぽどお勧めだと思います。

2014年2月17日月曜日

太陽光発電ファンドが上場

不動産ファンド運営のいちごグループホールディングスは、2014年度をメドに太陽光発電施設に投資するファンドを上場させる。当初の資産規模は70億~80億円程度を見込んでいる。来年度中にも東京証券取引所が開設する見通しのインフラファンド市場の第1号を目指す。
と言うことです。いちごHDも頑張りますね。

ただ、このファンドの注意点があります。それはファンドの収益は「固定価格買取制度(フィードインタリフ)」によって支えられているということ。

なにそれ?と言う方は「フィードインタリフ制度(固定価格買取制度)のルール」や「フィードインタリフとは」とかをご覧ください。

要するに、電力会社が太陽光発電で発電した電力を一定期間高い値段で買うよというお話。

42円/kWhでの買い取りからスタートしており、当初その契約でスタートしたら20年間はこの価格で買取をしてもらえます。(2013年度は38円/kWh)

このポイントは、買取期間終了後の話。現状だと20年後には買い取り価格は100%下がります。となると当面の間は収益性が見込めるけど20年後には一気に収益性が低下する案件になるんですよね。

あと、機械的な寿命も20年後にはきてそう。
となると、明らかに価値が逓減していくファンドなんですよね。当然REITも物件価値の低下はあるけど太陽光よりもそれは遅いはず。

果たしてこういう状況で太陽光発電ファンドはうまくいくのでしょうかね??

グローバルソブリンが減配

毎月分配型の投資信託として人気のグローバルソブリン(通称、グロソブ)が配当金(収益分配金)を下げると発表しました。
グロソブは1月に分配金を従来の35円から過去最低の20円に引き下げた。

割合に換算するとかなり大きな引き下げとなります。

以下担当者のコメント
 「長期的な視点でみると、組み入れている米国債などの金利が歴史的な水準に低下している。利回りによる収入が減るなかで基準価格に対する分配金の比率が 8%と高くなり、『分配金の支払いで基準価格が上昇しにくくなっている』という投資家の声が目立つようになっていた。分配金の支払いによる基準価格の下落 を小さくし、安定的な運用資産の成長と分配金の支払いの継続性を重視する必要があると判断した。分配金の支払い方針が変わったわけではない」

この辺はグロソブだけじゃなくて大半の分配型ファンドにいえることで、結局タコ配になっているわけです。このあたりは「分配金は利益ではない、投信の落とし穴」なんかも参考にしてもらえばわかるかと思います。

とにかく何が言いたいのかと言うと、配当(分配金)だけにとらわれずに本質を見るべきなんですね。本質と言うのはトータルリターンなわけでございます。